紀伊山地の霊場と参詣道が世界遺産に登録されたのを記念して副題 「紀伊山地十津川村の自然」写真集が地元の写真家関西支部会員の早津忠保氏によって上梓され一冊を関西支部に寄贈された。昨年秋、富士フォトサロン大阪で出版記念展があり関西支部の金井良碩氏より、案内のハガキを頂き見にいった。丁度、大阪府山岳連盟よりサンケイ旅行社での二泊三日の果無山脈縦走のリーダーに派遣される事に決まっていて、地元の竜神、本宮、十津川の役場より資料を取り寄せ調べていた最中で幸いにも会場に早津氏がおられ色々お話を聞く事が出来た。お陰で本番では天候に恵まれ素晴らしい自然に触れ合う山行が出来た。最後の日には玉置山に登り神社にも寄りその時も早津氏のお話を聞いていたので深い感銘を受ける事が出来た。
十津川村は日本一大きな村で現在も秘境であり多くの自然が残されている。その魅力を十分に紹介したのがこの写真集である。23年間に亘り十津川村の四季の撮影をライフワークとした方ならではの作品である。
厳選された写真は、テーマ別に 「神々の社」 「春から夏」 「秋から冬へ」 と分けられ、それぞれ素晴らしい写真が展開される。
「神々の社」 では四季の彩の中で修業する僧の姿が、「春から夏へ」 は自然の息吹が最も盛んな木々の姿、花、雲海、水の流れ、村落のただずまい、「秋から冬へ」 は紅葉から雪の世界へと移り行く多彩な変化を鮮明で大胆なカットがある反面、繊細で緻密な表現で見る者を魅了する。
又、一場面を切り取った静かな写真の中から人物や水の流れ、水滴のほとばしりなどが動きを持って感動的である。作者の土地への深い愛惜が感じられる見事な写真集である。
尚、推理小説作家、西村京太郎氏が主人公十津川警部の縁で序文を書かれ、又、地元十津川村出身の詩人の故、野長瀬正夫の詩が花を添えている。
私自身ささやかな縁で写真集の紹介を書く機会を与えられた事を感謝している。 阪下幸一
「四季十津川 (紀伊山地十津川村の自然)」 定価3,990円
写真 早津忠保 体裁 B4変 総135頁 平成16年8月刊 出版元 光村推古書院
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