戸倉峠・赤谷の頭から三室山・大通峠へ 

山内 幸子

関西支部山行 分水嶺区分 5-1,2,3,4                           

【期 日】 04年10月16・17日  11月23日
【コースタイム】
10月16日
 道の駅はが06・30−旧戸倉トンネル06・551−稜線08・00−P980 08・23−戸倉峠08・40−PlOlO 09・17−P1143 10・00−赤谷の頭 (落折山) △ 1216.4m10・45−PlO87への鞍部12・50−P1166 16・19−波佐利山△1191.6m 17・10
10月17日
 波佐利山発06・00−PlO47 07・40− P1202 09・05 −P1110鞍部水場あり10・00
−谷で昼食11・57〜12・50−林道14・21−加地川渡る15・30− 林道大通中江線標識 16・53
11月23日
 大通峠発06・30−林道入口06・531出合07・00−尾根取り付き点08・08〜15−P1200(赤西ピーク)08・42〜50−三室山△1358m 10・23〜11・00−昼食12・25〜45−P1145 13・08−P1132 13・52−P1111 14・37−大通峠15・52
【参 加】 L.重廣恒夫、 松波幹夫、 山内幸子  会員外二名

10月16日(土)晴
 早朝道の駅を出発し、新戸倉トンネルを鳥取県側に抜けた地点から旧道に入り、閉鎖されたトンネルの入口に車を置き、林道を北上した後、県境稜線に取り付き、稜線を南下すると懐かしの戸倉峠に出た。Pl1010を越え赤谷の頭を見ながら笹の中を歩き、ブナの多いPl143に着く。

 残雪期は難なく歩けたが、背よりも高い笹の中を歩いて二等三角点のある赤谷の頭に到着。ここから薮との格闘が始まる。笹の中に入ると全く方向が分からなくなるが、尾根から少し外れても重廣氏達は前と後ろからGPSで現在地点と稜線を確認しながら進むので、すぐに稜線に戻ることができた。根曲がり竹になると笹の中を泳ぐこともできず格闘するのみである。

 時々、薮の切れ目から赤谷の頭(1216.4m落折山とも言う)を振り返ったり、はるか彼方の三室山を見ながらひどい根曲がり竹の薮の中を進む。遅々とした歩みに三室山まで行くのが危うくなって来るが、今日は何としてでも波佐利山まで行きたいなと話す。波佐利山の手前になると歩きやすくなり、何とか陽のある内に三等三角点のある波佐利山(1191.6m)に到着。

 少し下ったところにテントとタープを張る。夕食も重廣氏がシェフの野菜とソーセージのコチュジャン炒め、レトルトカレー、食後のコーヒーだった。7時半に針のようなお月様を見ながら男性群はタープの下でシュラフにくるまって寝る。夜半は風が強く、ぱらっと一雨降った。

10月17日(日) 晴
 鞍部までは笹がなく歩きやすいが、登りにかかると笹が出てくる。P1202には大きなブナの木と境界杭があり三室山も近くに見える。

1060ぐらいの鞍部から重廣氏が水を汲みに下り、6,7分で帰ってくる。谷筋に下って水を探すときは急な方でなく緩やかな斜面の方に水があると教えてもらう。再び根曲がり竹の中を歩くが思うように進めず谷筋に下りて昼食タイム。稜線に戻りまた根曲がり竹の中を進むが、思ったより時間がかかり三室山まで行くのを諦めて、鳥取県側の植林された尾根を下り林道に出ることにする。30分足らずで林道支線に降り立ち、さらに加地川本流沿いの長い道を加地・中原まで歩く。ここからタクシーで旧戸倉
トンネル入口まで行き車に戻り、西宮に向かって走った。

 今日の薮は想像以上で三室山までは遠かった。薮の濃さは口で言い表すことができない程、みごとという他なし。GPSの必要性を感じた山行であった。

11月23日(火) 晴
 前回到達することのできなかった三室山から大通峠まで抜けるために再挑戦。前夜は青木車と合流し戸倉峠を越えて、大野から加地川沿いの林道へ入り大通峠まで来た。上弦の月と星空の下、テント三張りの真ん中で蟹のみそ汁、ヒラメの昆布締めやクサヤありの宴会をしてからシュラフに入った。

 5時起床で温かいうどんとコーヒーをご馳走になりテントをたたんで前回下った林道との合流点へ下る。車を置きいよいよ三室山を征服すべく出発。蛇行した林道を避けて谷筋を歩く。結構荒れており倒木などが多い。谷の終点すこし手前で前回下った林道に上がると下降地点との合流点はすぐだった。手入れされず下草が繁っている植林帯を三室山を右に見ながら登っていき、薮の中のP1202(赤西ピークというらしい)に到着。

根曲がり竹の中を右に左に身体をくねらし、かがみながら進む。偵察のために途中の木に皆が登り景色を写真に収める。尾根に近くなると立ったままでの薮漕ぎになり空も見え始めた。しばらくして360度展望できる二等三角点のある三室山(1358m)に到着。ここは別世界であり、いきなり薮の中から出てきたので頂上で休んでいた人達がびっくりしていた。展望を楽しんでから大通峠まで下るのだが、この先は如何に。

 すぐに薮の中に突入。根曲がり竹は雪のため谷の方に向かって寝ているのでどうしても谷側に誘導されてしまう。ここの薮は今までよりさらに深く密集しており、先頭を行く重廣氏をして「絶望的な薮だ。」と言わしめたほどだ。今回の秘密兵器のヘルメットやレガースが役に立っているようであるが、とうてい立ったままでは進めず膝をついて根曲がりと格闘しなければならない。後の者は遅れずについて行くのに必死。後ろからGPSでナビをしている松波氏が稜線から左に少し離れてきたと指摘するが、根曲がり竹の流れに逆らって修正するのは容易ではない。根曲がり竹の下りにも往生するが。密集する中を斜行するのはさらに大変である。竹を掴むというより体全体で押し倒しながら進む。500m進むのに1時間以上かかる。真っ青な空が少ししか見えない薮の中で昼食にする。

 一息入れてまた薮との格闘。ちらりと眼下に見える行く手のなだらかなうす茶色をした尾根は、一見難なく歩けそうに見えるがそうは問屋が卸さない。薮が少しましになった所で歩いてきた林道屋根・赤西ピーク・三室山を眺め、ブナの大木の稜線を歩くが、イノシシのヌタバ以外はやはりひどい薮だった。Pl132やPllllに苔むした境界杭が立っており、これは国有林と民有林の境を分けているらしい。Pllllのピークから大通峠までは笹が刈られており楽に歩くことができたので予定時間から遅れずに目的地の大通峠に到着した。少し下った所におじぞう様が立っており、本当の分水嶺で記念撮影をして車まで戻る。
 濃密な薮と薮漕ぎの醍醐味・GPSの便利さが実感できた分水嶺歩きだった。薮漕ぎのプロ達の体力と技術に脱帽した。