図書虫干し会

「一味違う山の本」の講話に接して

須磨岡 輯


のっけからガツンと大きな衝撃を受けた。目先のことに追われ、名作と言われる本と久しく出会っていないからである。メガネの世話になりはじめてからとくに遠ざかっていたと思う。

山田博利氏お勧めの『山』(ミシュレー著・大野一道訳)の背表紙にはお目に掛かったが、中身と出会っていない。スイスの風景が展開する小気味よい文章でありながら、すでに、150年前に自然破壊に警鐘を鳴らしていたと言う。著者の意を酌むことなく、今日の荒廃を思うと心が痛む。一度目を通す事にしよう。

国内の自然を取り込んだ名作も紹介していただいた。

あらためて思うことは、読み進めるうちに周囲の風景が脳裏に展開し、我が身を文中における読物に良くお世話になった。これをきっかけにメガネを掛けて読める短編から復活すれば長く続くでしようか。

何時も悩むこと、それは山行報告を書くときである。自分の手元に置く作品ならいいのだが会報などば頭が痛い。持ち合わせが少ないので、名文が出るわけがないと思ってはいるが、少し恰好つけようとすると筆が進まず、編集者からやんやの催促。最後は、名文に至らず、結局マイペースで納まってしまう。

今、大事にしているのは「人、自然そしていい出会い」を心にしているので、出会いの書に会いたい。今回の講話が若い時代に蘇らせてくれた。心をときめかしながら読んだ山岳書の続きに目を通すことにしよう。


(参加者名簿 略)