4月29日、近鉄八木駅より貸切バスで行者還トンネルヘ。トンネル東口より前回雨の中を下ったルートを登り、一の垰で昼食。
雪解けの湿地にパイケイソウが芽を出しているものの、芽吹き前の林はマンサクの黄色い花を見るくらいで、縦走路はまだ早春の風情が漂う。
聖宝の宿跡の理源大師像前から一時間の急登で弥山小屋に着く。夕食まで大分時間があり残雪を踏んで小屋の周辺を散策する。
弥山の北の林を見て驚いた。トウヒやシラビソの殆どが立ち枯れや倒木になって無残な景観を呈している。確か二年前眺めた時よりもひどくなっているようだ。オープン初日の小屋は、連休のせいか四十人余の客で賑わっていた。
4月30日、朝食抜きで出発。好天の予報がなにより嬉しい。オオヤマレンゲ保護のため設置された鉄柵を潜り、八経ケ岳に着く。前回までの奥駈道がはっきり確認出来るのに、釈迦ケ岳は薄っすらとしか見えず遥か遠くに思えた。
7時前、五鈷峰を回り込んだ鞍部で朝食。風があり少々寒かったが最低鞍部の舟ノ垰(1594m)は東西の風を遮り暖かい。
地図を見るとこのルートは遥拝所や靡き、行場がたくさんあり、修験場のメッカのようだ。舟ノ垰も靡きで、芳村リーダーが土の上に置かれた碑伝を前に般若心経を唱えておられた。これも行の内と後日伺う。
楊枝の森を抜けて七面山遥拝所に出る。ここからの七面山の切り立った南壁の眺めは壮観そのもの。立派な楊枝の小屋を過ぎ、大きな山塊の仏生ケ岳は南から回りこんで三角点を踏む。
八経ケ岳が遠ざかる分、釈迦ヶ岳の形のよい山容がはっきりしてくる。まだ、開扉前のせいかこのコースに修験者の姿はなく、大きな荷を担いだ若い人四五人に出会っただけだった。
陽も高くなりツツドリの声を聞く。谷間から吹き上げる風は心地よく、大峰の奥座敷歩きは爽快そのもの。それに「鳥の水」の雫は冷たく美味しかった。
孔雀覗きから前鬼川源頭に林立する奇岩を覗き込む。この辺りから岩稜帯になり、要所要所に名称がついているが注意しないと行き過ぎてしまう。橡ノ鼻は宙に突き出たような岩場で足
元に青銅の役の行者像があった。先達の森沢さんの説明では、昭和15年ごろに安置されたものらしい。
馬の背を越えると釈迦ケ岳の最後の急登が始まる。前の方から聞こえてきた 「六根清浄」 の掛け声にあわせて登る。
釈迦如来像の立つ頂上は先客があり賑やかだ。果無山脈から大峰北部までの山並が見渡せる。三六〇度の素晴らしい展望を楽しみながらランチタイム。
深仙の宿付近からは谷間の屏風岩や五百羅漢、極楽の都津門を振り返り、あらためて自然の造形の見事さに感心する。
時間の関係で大日岳は見送り、太古の辻から前鬼へ下る。小仲坊で喉を潤し、崩壊した林道を横に見ながら、バスが待つ不動七重の滝展望所へ急いだ。
往路のバスでは24人だったメンバーは弥山で一人下山され、小仲坊で二人が泊まられたので21人で八木駅へ帰る。
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