昨秋、ポカラの国際山岳博物館を訪れた。
道の案内板をたどると博物館の人口である。入館料300ルピー、広い庭園を行くと館の玄関前に白く彩られたマナスルのモデルがあり、玄関を入ると、そこは二階で一階の展示場におりる。大森弘一郎氏撮影のエベレスト、マナスル、カンチェンジュンガの大型写真が目を引く。このヒマラヤに住む人びとの民族衣装を着た人形、その家屋の一部を再現したコーナー。
そして注目したのは、ヒマラヤにかかわった人たちの個人別コーナであった。最初の河口慧海には、マナサルワ湖とカン・リンボチェ (カイラス峰) を背景にしたもの、またダライ・ラマに拝謁しているところなどの絵、河口慧海請来チベット資料関係書などがあった。トニ・ハーゲンのコーナーでは、カメラなどがあったが、外国人として初めてネパール国内を自由に歩けた、名著「ネパール」 の著者としては少々淋しい。アンナプルナのモーリス・エルゾーグは、ピッケル、アイゼン、ハーケンなど登山装備品が多くあった。日本のマナスルには、写真や登山用具が、多数並べてあり個別のコーナーではスペースも広く数も最多であった。
その中に今西寿雄氏の大学ノートがあり4月15日快晴 6時 マイナス8℃、また、ルート工作のパートナーの村木氏との記述も見える。ルートの見取り図なども小さなていねいな文字でテントの中で書かれたものだろう。双眼鏡のケース・マットなどにも今西の名が墨書されていた。
ヒマラヤの自然、歴史、動植物など多彩な展示物の一隅に、エベレストで廃棄されていた登山用具、酸素ボンベ、ロープ類などが、回収されて積みあげられていたのが印象的であった。
|