支部山行 06-12  四国分水嶺踏査(6)

京柱峠〜三方山〜岩原〜黒滝山〜野鹿池東峰

瀧 由喜子



防火帯を行く

11月25日
5月から始まった四国分水嶺踏査も数えて6回目になった。いよいよ徳島のエリアも残すところ少しになり、今回は2006年最後の山行でもある。25日は天気予報に少し不安を感じながら午前5時、松茂町の高速バス乗り場・駐車場「とくとくターミナル」を出発し、高知の大豊ICから京柱峠に向かった。 
  11月もはや末。山も初冬の気配を感じさせた。7時50分、京柱峠到着した。峠からの展望はよく、南に梶ヶ森が見えた。体操の後、出発した。京柱峠は祖谷の樫尾と高知の大豊を結ぶ峠で、その昔、山岳武士たちが山伏に身を変え、秘密の連絡文をまげの中に結い込んで、連絡に往来した歴史上重要な峠であったらしい。
 8時15分、峠から0.3km東北の稜線にある4等三角点京柱(1157.8m)に着いた。三角点を過ぎるとカヤ原になる。有刺鉄線があらわれ、鉄線に引っ掛けられないよう気をつけながら稜線を登っていった。1327mまで、東側はかって牧場だったらしい所だったが、今は痕跡が残るだけで所々ヤブこぎを強いられた。途中、鹿の食害によるものか、樹皮が剥がされて黄色の木肌が見えている木があった。見た目どおり名前は「キハダ(黄膚)」で内皮を乾燥したものを「黄檗(おおばく)」といい、胃腸薬などに利用されるそうだ。動物も胃腸の調子が悪かったのかもしれない。なめると非常に苦そうに思えた。
 1327mのピークから防火帯に出て、歩くのが比較的楽になった。ピークの手前で振り返ると、前回踏査したコースの天狗塚が今日もその特徴ある姿を雲の間から覗かせ、その西の尾根続きの牛の背がゆったりと延び、どっしりと見えた。四国を代表する山並みの一角だ。
 防火帯が次ぎのピークまで続いていて、山肌に一本の道路が通っているようだった。丁度よい時期に刈ってくれていて、歩きやすくありがたかった。10時30分、4等三角点の弘瀬山に着く。弘瀬山からは三嶺、西熊山、天狗塚、綱付森、土佐矢筈山などが雲の間から姿を現し、前回の踏査が懐かしく感じられた。みんなで記念写真を撮り、小休止後、三方山をめざす。


(写真・弘瀬山からの展望)

 少し行くと1299mのピークと左に三方山が見えてきた。山頂付近は、樹々が葉を落とし晩秋から初冬の装いをしている。この季節は私の好きな季節だ。県境の尾根を忠実にたどり、三方山に11時50分、着いた。頂上は少し雑木が残っているが、カヤ原で眺めはすばらしく南に梶ヶ森がよく見えた。今は市町村合併したが、旧西祖谷山村、旧東祖谷山村、高知の大豊町の三町村境の位置するのが山名の由来だ。
 私にとって、三方山は、8年前にクマガイ草を見に来て以来の山となる。コースが違うので初めて登る山のような印象を持った。



 三方山からはリーダーも初めての道を岩原の方へ下る。最初は県境の杭に沿って下るが1166mを少しすぎた所から南へとり県境と分かれる。両側は丈の低いササと広葉樹が入り混じっている。県境と分かれてからシャクナゲ、アセビがあらわれ、葉を落とした広葉樹の中を下る。稜線から離れるあたりで猟犬に出会った。ちょっとびっくり。狩猟シーズンだったのだ。その後、林道に出て、三谷の集落に着いた。
 山頂付近はすでに紅葉が終わっていたが、三谷集落は丁度見頃で林道を歩きながら山を振り返り「ワァーきれい」「きれい」を連呼。ぎんなんを取るためか畑に植えてある銀杏も丁度見頃で本当にきれいな山里だった。
 15時、赤瀬橋に着き、迎えのバスがある地点まで歩いた。あとは今日の泊りの民宿「お山荘」に向けて出発。途中で1日だけ参加した尾野さんと別れた。民宿で夕食後、「天気によっては明日の予定を変更するかも」とリーダーから説明があった。明日の好天を祈りながらゆっくり眠りにつく。おやすみなさい。

11月26日は起床後、天気を気にしながら外を見る。今のところ雨は降ってないが雲が重たそうだ。朝食後7時に民宿を出発した。やはり昨日の説明通り、バスで野鹿池山のログハウス駐車場に行き、野鹿池山から黒滝山の縦走になった。
 バスで移動中も空模様が気になる。7時50分、駐車場に着き出発の準備をした。残念な事に久保和恵さんが足の負傷でバスに残ることになった。鳥居をくぐってホンシャクナゲの斜面を登るとすぐ湿原と山頂の分岐に着く。湿原と西峰は次回に残して分岐を東へ広葉樹のゆるやかな道を行くとすぐ野鹿池山東峰三角点に着く。



 野鹿池山は湿地とホンシャクナゲの群落で知られる山だが、昔は底なしのぬかるみ池で、30〜40年前でも脛まで入る沼地だったらしいが、今は周囲の大木が伐採され、山の保水力が弱って湿地に変わったらしい。しかし、シャクナゲの時期はさぞ見事な花を咲かせるだろう。
1217mまではちょっとしたアップ、ダウンはあるがゆるやかな下りで、途中シャクナゲ、ブナがみられ、きれいな落ち葉の道で気持ちよく歩けた。鉄塔迄は急な下りだった。滑らないように足元に注意した。
 雲は重たそうだが、雨はまだ落ちてこない。鉄塔の手前1100mあたりで前に黒滝山が見えた。あそこに行くまでなんとか天気がもってくれたらと祈る。9時40分、鉄塔から10分くらい行くと右に「シャクナゲの群生」と書いた案内板があり、高知側の土橋への道との表示があった。ブッシュではないが両側からはみ出してきた潅木を掻き分けるようにしてアップ、ダウンを繰り返す。1112mを過ぎ、徳島へ下る分岐(羽瀬平越)を過ぎ、登りにかかる所でピンクの可愛い実をつけたコマユミに出会う。
 ひと登りすると、頂上手前の展望のいい所に出たが残念ながら天気が悪く眺望はよくなかった。少し行くと頂上だった。10時30分。 風が強くなり空模様があやしくなったので記念写真をとり早々に下山を始めた。
 帰りは空模様を見ながらリーダーの判断で1112mを過ぎたあたりから林道に下った。伐採の跡でタラの木がいたるところにあり、引っ掛けないように気を付けながら下る。春の山菜時期はきっと摘みきれないほどだろうなー、と思った。11時35分、林道に下りた。林道に着き、みんながホッとしたとたん、重そうに見えていた雲が雨になって落ちだした。リーダーの的確な判断のおかげでずぶぬれを避けられた。感謝感謝、合掌。あとはバスが待っている野鹿池まで林道を歩いた。13時30分駐車場に着き、ログハウスで昼食をとり帰路に着いた。

【期 日】 06年11月25日〜26日
【コースタイム】
25日 京柱峠07:50 ― 四等三角点08:15 ― 防火帯09:35〜弘瀬山10:30〜P1299 11:18〜三方山11:50― (昼食) ― 12:30〜P1166 12:53〜県境分岐 13:10 〜 稜線離脱 14:18 〜 最奥の家 14:28 〜 三谷集落 14:40 〜 赤瀬橋 15:00 〜 バス待機 15:34
26日 野鹿池山 8:30 ― 8:40 〜 三角点 09:05 〜 鉄塔 9:39 〜 登山道分岐 10:09 〜 黒滝山 10:30― 10:40 〜 林道に 11:35 〜 ログハウス駐車場 13:30 − 14:05
【参 加】  新本政子、内田昌子、尾野益大(25日)、久保和恵、久保三朗、小林京子、阪下悦子、阪下幸一、佐野加代子、瀧由喜子、中島隆、前田正彰、松村文子、宗實慶子
(会員外) 家段勝好、久米久夫             

写真: 中島 隆