自然保護行事07−4   第11回森の勉強会


伊勢神宮の森に参加して

瀧 由喜子


 11月10日(土)11(日)と伊勢で行われた勉強会に小林さんと二人で思い切って参加した。″お伊勢参り″と言う言葉に何か江戸時代のひぴきを感じながら珍道中にならない様に緊張して徳島を出発した。高速バスと近鉄を乗り継ぎ10時半過ぎに神宮会館に着いた時はホッとし、思ったより伊勢を近く感じた。まずおかげ横丁で腹ごしらえをして、午後からの勉強会に臨んだ。
 最初の座学では京都大学生態学研修センターの准教授酒井章子先生の話を聞いた。数年に一度しか起こらず、いつ起こるか予想がつかない東南アジアの熱帯雨林フタバガキ林で起こる一斉開花の非常に興味深い現象の話、一斉開花によって影響を受ける森林の生き物の話等、見た事もない熱帯雨林にどんな花が一斉に咲くのか想像をしながら話を聞いた。続いて森林インストラクター川合寿之氏の神宮宮城林常緑広葉樹の観察ポイントの話を聞いた。森林の意味、森林の働き、里山は人間の領域であり、薪を調達、落葉を肥料として採取、水源などとして利用してきたが手を入れないと森林機能が発揮出来なくなり荒れてくる。又、良好な森林土壌の話、次に神宮宮城林の森林環境、地況、林況の話では生態系の調和を図るため針葉樹、常緑広葉樹が混交し、植物の種類も豊富で森林生態系の調和を因っていると言うことだった。それに神宮の森の植物の種類等を聞いた。明日の観察が楽しみだ。
 その後、林学博士木村政生氏の説明を受け内宮神域の森林観察をした。宇治橋では御正殿の棟持柱が20年後宇治橋の大鳥居になり、20年経ってその後全国の神社のお社として生まれ変わり、無駄なく利用される話、1年に400万人以上の参拝客が往復するので4〜6p減る話とか聞きながらいよいよ神域の内宮へ進んで行った。玉砂利を踏みしめる音が夕暮れ時の神域に響きおごそかな雰囲気を感じた。17・00神宮会舘に帰り、入浴、夕食時他の支部の方達からいろいろ体験談を聞く。その後部屋に帰り明日の観察会を楽しみにして眠りにつく。
 11日(日)朝食後(7・45)私達(小林、瀧)は村田さんの車に便乗させてもらい会館前を出発し登山口に向う。(8:25) A班とB班に分れ登山口を出発する。出発地点から沢山の樹木を教えてもらうゴンズイ、ヤプツバキ、アカメガシ、イヌガシ、赤い実のなるヒヨドリジョウゴ、コアカソ、オニドコロ、等々あまりにもいっぱい聞いて覚えられない。林道を少し歩き山道に入る。
 尾根に出るまでにもカゴノキ、アカガシ、ソヨゴ、シヤシヤンボ、シイ頬の話等次々と樹々の名前が出てくる。尾根に出る (8・53)尾根は自然林を残し、東側はヒノキを植林していた。歩きながら樹々の説明、葉のつき方、木肌の違い、シダの葉の違い等を聞く。途中、幹に白いペンキを塗っている様な樹が見られたがカビがはえていて弱っている樹だという説明があった。
 330mの地点に着く(10・15)、小さい登り下りがあり、モミの木、ヤマウズラ、カクレミノ等がある。(10・35)少し急な登りになるが風があり、さわやかだ。カンアオイ。コバノミツバツツジ、タイシンタチバナ等。露岩が出てきてそれを左に巻き、しばらく行くと尾根に出る(10・45)岩場にヒカゲツツジを見つけた。イズセンリョウに白い実がなっているのを見つけながらけもの道を行くとウバメガシの林に入る。下草はシダが繁茂していた。
 しばらく行くと一面にシダ類のヒトツバがでてき、五ケ所湾が見えた。尾根の上に境界杭があり宮内庁のご領地の印があった。
 京路山三角点(414・8m)に到着(11・00)。ヤブコウジ、モチツツジの花が咲いでいた。
 三角点より引き返し尾根道を剣峠へと向う。途中大きい岩の横を通り、見晴らしの良い所に立つ、そこから見える範囲の山全部が神宮の森だそうだ。その広さにびっくり。この森林は神宮の森厳の保持、五十鈴川の水源の涵養、御造営用材林育成を目的とし、そのため多くの人が森林管理の仕事に携わっているそうだ。剣峠に到着(11・55)、A班の人は先に着いていた。剣峠は椿峠とも言われ、伊勢神宮に参る信仰の道であり、土地の人が海、山の幸を伊勢に売りに行く生活の道でもあったらしい。
 峠ではヤプニッケ、ウラジロガシ、アラカシ、スゲ、カクレミノ、アリドウシ、イヌガヤ、ボタンズル、カマツカ (ウシゴロシ)他いろいろ教えてもらう。
 食事の後峠を出発する。(12・40)しばらく林道を歩き森に入る。タカノツメ、野生のクチナシ、サカキ、ヒサカキ、シイ等がある。下の方に来ると土が肥えているのでシイが大きく成長している事、木を切った
後、株から何本か若い芽が立ち上がる事、又シカの食害にあって葉が赤くなっているツツジ等いろいろ説明を聞きながら下り沢に出会う(13・30)。炭焼きの後をみたりしながら沢沿いにしばらく歩き林道に出る(13・40)。ミミズパイ、カンザブロウ、ネズミモチ、ツクバネウツギ、リンボク、キッコウハグルマ、ハスノハカズラ、マツカゼ等沢山説明を聞きながら林道を沢沿いに歩き車に着く(14・16)。来た車に分乗して帰路につく、途中思わぬ車のアクシデントがあったがみんなの力で解決、無事会舘に到着する。
 会舘でみんなと分れ、おかげ横丁を少し散策した。思い切って参加し有意義な2日間を過ごせてよかったねと車中で話しながら徳島に帰った。ちょっと残念だったのは赤福が食べられなかった事かな−。