東お多福山草原復元化調査作業に参加して


山内 幸子

 5月13日に東お多福山草原復元化調査作業があり参加した。
昨年11月に100平米5か所でササの刈り払い作業が行われた調査地(コドラート)にどんな植物が生育してきたかの調査だった。東お多福山草原は南方系と北方系植物が見られる貴重な草原であるが、今はネザサがはびこり樹木も大きくなり昔数多く育っていた草本が見られなくなっている。私が六甲山を頻繁に歩き始めた30年前のお多福山は明るい草原でほとんど樹木はなく、雨が峠への道も見えていたように思う。当時はただ歩くだけでどんな花が咲いているかに興味を持たなかった。今思えばあの頃から植物に興味を持っていたら今より少しは植物への造詣が深くなっていたことだろうにと後悔の念にさらされる。

 3月に山登りのついでにコドラートを覗いた時はどんな植物も見つけられなかったので今日はどんな植物が顔を出しているか楽しみだった。土樋割峠でほかの団体(ブナを植える会・HAT−J関西支部・六甲楽学会・芦屋森の会2001)の方々と集合し、ブナを植える会の桑田さんの話で始まり、この調査に連携いただいている県立人と自然の博物館の自然・環境再生研究部橋本佳延研究員や植物に詳しい森林植物園の福本氏たちとお多福山に登って行く。チゴユリ・スノキ・コバノガマズミなどの花が咲いていた。

 5か所のコドラートにそれぞれ1m四方3か所のサブコドラートが指定してある。刈り取り前と刈り取り後の植生復活の効果を調べて行く。まず、一番上のNo.5から調査を始める。2か月前と比べて青々している。橋本先生はサブコドラートの中を専門的手法で調べていく。福本さんがコドラート全体の植物を調べる。その記録をするためにぴったりと付いて回る。今回は植物に詳しい人が多く、それぞれがネザザをかき分けて芽生えを調べる。ほんの少し顔を出した植物まで同定される。花が咲いていれば少しは分かるのだが、芽生えの状態ではほとんどお手上げで、参加の皆さんの見識の深さ、専門的知識の深さに驚かされる。



 誰が見ても分かるネザザ、ススキ、マルバハギ、コナラ以外にツリガネニンジン、シラヤマギク、オミナエシ、オケラ、オカトラノオ、サワオトギリ、ノシバ、シハイスミレ、ヤマハギ、ヤマナラシ・・・と声が上がる。5ミリ程度の幼葉でも同定されていく。私が同定できたのはニガナ、イタドリ、サルトリイバラ、タチスボスミレ、リンドウくらいだ。このNO.5のコドラートの植物が多く20種以上見つかり調べ終わるのに45分もかかった。調査地NO.4・NO.3はまだ十分成長していないのか植物は少なかったが、それでも20種ほど見つかり、ネザサでどんなに痛めつけられていたか分かった。小さすぎてまだよく分からないのはスゲsp、キク科sp、サクラsp・・・と言われ、その通り記録していく。



  昼食の後NO.2に移る。アカマツの実生でまだ殻が付いたばかりのものもあり、みんなからかわいいという歓声が上がる。コナラ、クリ、ウリカエデ、アカマツ・・・と木本の芽生えも多い。空模様がだんだん怪しくなってくる。最後のNO.1も結構種類が多かった。ミツバアケビ、ヤマツツジ、モチツツジ、ナツハゼ、ヘクソカヅラ、ヒメハギ、オオバノトンボソウ・・・と。ちょうど調査が終わるのを待っていたかのようにぽつりぽつりと雨粒が落ち始める。

 赤松の実生

 土樋割峠に戻り解散式をする。草原性植物が出ており刈り取り前と刈り取り後の植生復活の効果がてきめんに現れている、次回は刈り取りの予定だったが、けっこう多くの植物の芽生えがあるのでもう一度調査をしてから刈り取り作業を考えることにする、個体数を増やし、草原性植物のあるところに手を施していく必要があるなどのまとめを橋本先生から聞く。式が終わり、車に乗り込んだとたん雨脚が強くなってきた。
 今分かっているところでは全出現種数は41種類だったそうです。
 次回もこれらの植物がどんなに育っているか見るのが楽しみだ。

(写真 中島 隆)